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日本での生活支援情報

日本で生活するためには仕事で得た収入がすべて得られるわけではなく、各種保険や税金など必ず必要な支払い(給与から引かれる)が意外と多くあります。
具体例として企業に就職されている方が毎月の給料(総支給)から引かれる項目は概ね以下となります。それぞれの詳細説明は以降を参照してください。

  1. ① 健康保険
  2. ② 厚生年金保険
  3. ③ 雇用保険
  4. ④ 介護保険 *40歳以上の方が対象介護保険
  5. ⑤ 住民税
  6. ⑥ 所得税

生活お役立ち情報

年金・社会保険編

日本国内に住所のあるすべての人が加入する義務があります。日本は国民皆保険制度を採用しています。医療を受けたときの個人負担額は3割(7割は国が負担)であり、これは世界でも負担額が少ない国のひとつです。
国民皆保険の目的は病気や怪我といった保険事故に遭遇しても安心して医療を受けられるためであり、国民がお互いに保険料を出し合い、お互いを助け合おうという相互扶助の精神が根底にあるのです。

公的医療保険には主に「健康保険」と「国民健康保険」があり、ここでは「健康保険」の特徴を説明します。  

健康保険は会社に雇用されている人が入る公的医療保険制度です。メリットは

1. 健康保険料の半額は会社負担である(個人負担は半額)
国民健康保険の場合は、全額自己負担であるため個人負担が少ないというメリットがあります。

2.生活保障のための傷病手当金、出産手当金制度がある
国民健康保険の場合は原則上記の手当の支給はありません。

3.扶養制度があるため、世帯における保険料額を抑えることができる
国民健康保険では扶養という概念がないため、家族全員が被保険者として加入する必要があります。
目安費用例:
会社に勤務していて給与20万円(総支給)の方が「健康保険」に加入している場合⇒本来は約20,000円の保険料だが会社が半分負担の為、約10,000円が個人負担 
日本国内に住所のあるすべての人が加入する義務があります。
日本では国民皆年金制度があり、老後の生活を安心して過ごすことを目的としています。
ここではメリットのある厚生年金保険の特徴を説明します。
厚生年金とは主に会社に雇用されている人が入る公的年金制度。「基礎年金である国民年金」プラス「上乗せ分の金額」で構成されるため、国民年金よりも納める保険料が高いのが特徴です。しかし、厚生年金の場合は雇う側である会社と労働者が折半しているということ。
つまり国民年金よりも高い金額を納めながら、労働者の実質の負担は軽いというのがメリット。
目安費用例:
会社に勤務していて給与20万円(総支給)の方が「厚生年金保険」に加入している場合
⇒本来は約36,600円の保険料だが会社が半分負担のため、約18,300円が個人負担
※つまり、会社に勤務していれば「健康保険」や「厚生年金保険」に加入でき、費用は会社が半分負担するため、個人負担が半額になるというメリットがあります。
そのため、会社に就職したほうが良いということです。

日本に長期滞在を希望していても、やむを得ない理由で帰国されてしまう海外人材もいると思います。そんなときの為に以下の「脱退一時金制度」を説明します。
脱退一時金制度とは
短期間日本に在住・日本の年金制度(国民年金・厚生年金が対象)に、6ヵ月間以上加入して帰国する海外人材に対して払い込んだ保険料の額に応じて一定額を払い戻す制度のこと。

「脱退一時金」を受け取ることができる海外人材の条件
日本国籍を持っていないこと
厚生年金または国民年金の加入期間が6ヵ月以上あること
日本に住所がないこと
障害年金などの年金を受ける権利を持っていない、かつて持たなかった者であること。

「脱退一時金」請求に必要な書類
  • ① 脱退一時金請求書
  • ② パスポートの写し
  • ③ 年金手帳・原本
  • ④「銀行名」、「支店名」、「支店の所在地」、「口座番号」及び「請求者本人の口座名義」である事を確認できる書類(銀行が発行した証明書等。①の請求書中の「銀行の口座証明印」の欄に銀行の証明を受けて提出。

請求手続きの流れ
 ① 税務署に「納税管理人の届出書」を提出し、帰国後に、源泉徴収されていた控除額(脱退一時金総額の20%)
 の還付手続きを代理してもらう人を決めておく。
 還付手続きの代理人は日本にいる人ならば誰でも大丈夫です。納税管理人となる方が、還付申告時に納税管理人の届出書を同時に提出することも可能です。申請場所は、海外人材が住んでいた所在地の税務署になります。
 ※ 厚生年金は脱退一時金給付に際し源泉徴収された所得税が支払われます。一方で、国民年金の脱退一時金は源泉徴収されていた所得税の還付は受けられません。
 ②帰国後、上記の必要書類を日本年金機構・外国業務グループに郵送
 ③日本年金機構が書類を確認し、本人指定の銀行口座へ振込
 ※実際に本人の口座に振り込まれるまでは、書類を郵送、提出後3〜4ヶ月かかります。この点はしっかりと説明しておくべきでしょう。
 ④日本年金機構が受給者に、「脱退一時金決定通知書」を送付
   厚生年金の場合は「納税管理人」にこの通知書を郵送し、納税管理人が還付申告を行います。

脱退一時金の額は?
滞在期間、支払った額によって異なります。日本年金機構が参考PDFを公示していますのでご確認ください。
※現行の制度ですと、支給上限年数3年となっていますが、見直しが行われ、2021年4月より支給上限年数が5年に引き上げられることになりました。これは、在留期間の上限が5年となる特定技能1号に見られるように3年~5年在留している海外人材の割合が増加している実情に対応するためです。

請求期限は?
日本に住所がなくなった日から2年以内
※会社を辞めて、厚生年金を脱退したとしても、日本に在住している限り脱退一時金の請求はできません。
失業したときに次の仕事に就くまでに必要な給付(所得保障や再就職支援)を受けられる社会保険(労働保険)の一種です。
目安費用例:
会社に勤務していて給与20万円(総支給)の方が「雇用保険」に加入している場合⇒約600円
介護が必要な方の負担を社会全体で支えることを目的とした制度です。 40歳以上の国民が介護保険の被保険者となり、介護保険料の支払い義務が発生します。
目安費用例:
会社に勤務していて給与20万円(総支給)の方が「介護保険」に加入している場合⇒約1,800円
所得税
個人のその年の年収に対して課税される仕組みとなっている。
目安費用例:
会社に勤務していて給与20万円(総支給)の方⇒約3,800円
住民税
1月1日時点で日本に住所があり、一定額以上の給料などをもらっている人であれば海外人材でも住んでいる市区町村に支払う必要がある税金です。
目安費用例:
会社に勤務していて給与20万円(総支給)の方⇒約7,500円

直接給与から引かれないが、
生活のうえで支出となるもの

自動車編

免許切り替え方法
外国の運転免許証を持っている方は、住んでいる都道府県の運転免許センターで外国免許切り替えを行う必要があります。
費用は免許センターで違いますが約10,000円かかります。

① 申請書類提出
  • ・パスポート
  • ・在留カード
  • ・国籍が記載された住民票
  • ・有効な外国の運転免許証
  • ・証明写真(縦3cm×横2.4cm、カラー)
  • ・日本の運転免許証(過去に日本で取得した事がある方)
  • ・眼鏡
  • ・上記外国語表記の場合の翻訳文(個人や翻訳会社発行は認められない)

② 適性検査
  • ・視力テスト(両目0.7以上、片目0.3以上)
  • ・色彩識別能力テスト(赤・青・黄色の識別判定)

③交通規則の知識確認 *以下29か国は対象外
  • ・常識的な交通ルールの確認。事前に勉強しておかないと一発合格は厳しいので、教材購入し勉強したほうが良い。
  • ・知識確認は選択式で10問中7問で合格。
  • ・日本語以外の言語も可能だが、事前に試験場へ確認したほうがよい。

④運転技能確認 *以下29か国は対象外
  • ・最大の難関。運転できることのチェックではなく、検定基準に沿って採点される。
  • ・事前に教習所で運転練習していく海外人材もいるようです。

1回(約1H)約5,000円~10,000円
*③④が不要な29か国
アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国(オハイオ州、バージニア州、ハワイ州、メリーランド州及びワシントン州に限る)、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェ-デン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェ-、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾
車検
車検を受けていない車は公道を走ることができません。
普通乗用車や軽乗用車(バイクも含む)の場合、期間は2年ごとですが、新車で購入した場合は、初回の車検は登録から3年後となります。
車検には法定費用車検基本料金整備費用(部品交換など)の3つから構成されます。
法定費用

① 自動車重量税
自動車の重さに応じてかかる税金
費用相場は約5,000円~75,000円
*車種、年数、車両重量、エコカー減税の有無によって変わる

② 自賠責保険
車の購入と同時にすべての人が加入する保険。
別名「強制保険」と呼ばれることも多く、被害者救済を目的とした“運転手、運行供用者以外・人間のみ”に対する補償を提供しているのが特徴です。車検の有効期間に応じた契約期間と車種によって変動します。
費用相場は約13,000円~30,000円
*車種、契約期間によって変わる

③ 印紙代
車検に必要な検査手数料を意味しており、車種に応じて国と自動車検査独立行政に向けた「自動車検査登録印紙」「自動車審査証紙」を用意します。
印紙・証紙の金額は、車検を受ける工場によって異なるのもポイントです。
費用相場は1,100円~1,800円
車検基本料

業者または車種によって変動する。
相場費用は10,000円~80,000円

整備費用
整備内容により変動する。メンテナンス不足程、高額となる。
車検全体費用例
例1) 軽自動車:約70,000円+整備費用
例2) 普通車(1500CC):約100,000円+整備費用
その他に必要な費用

① 自動車税
自動車を持っている人にかかる税金(毎年)

費用相場
普通車 約25,000円~51,000円 *1500CC 約35,000円
軽自動車 約11,000円

② 駐車場
自動車を駐車するために必要な費用です(毎月)。
賃貸契約住居の方は家賃以外に必要となります。

費用相場
東京都平均 約32,000円(郊外min3,000円~都市部max400,000円)
愛知県平均 約14,000円(郊外min3,000円~都市部max100,000円)
大阪府平均 約27,000円(郊外min3,000円~都市部max150,000円)

③ ガソリン代
自動車を走行させるために必要な燃料で、軽油・レギュラー・ハイオクで単価が異なります。ガソリン代は毎日変動します。
<注意>
日本のガソリン代にはガソリン税と消費税が含まれており(二重税と呼ばれている)、他の国と比べて高いと思います。車の購入を検討している場合、購入予定の車がどのガソリン種類かを確認したほうが良い。


費用相場(2021.6.7)
レギュラー: 150円/L
ハイオク: 160円/L
軽油: 130円/L

④ 自動車購入費用

【新車の場合】
 費用相場:
軽自動車 約160万円以上
普通車(1500CC) 約250万円以上
<参考>
・原動機付自転車(原付) 約15万円以上
・自転車 1万円以上

【中古車の場合】
初年度登録、型式、色、走行距離によって違うが安く抑えたいなら
中古車推奨(約15万円~)

住居編

契約
個人または法人契約のどちらかとなる。
個人契約の場合は、入居契約前にあらかじめ入居信用審査があります。多くの場合、保証人が必要となります。
法人契約の場合は会社が代わりに契約をしていますが、入退去などの費用負担に関しては個人負担になります。会社によっては一部の費用を負担してくれる会社もありますが、会社によって待遇が変わります。

備品有無
家具等の備品付きを扱っている物件もあるが、使用しないなら備品無しでの契約も考えた方が良い。
初期費用(契約時に発生)
敷金 退去時の原状回復のために支払うお金。原状回復に費用がかからなければ、一部戻ってくることもあります。物件によっては契約時に敷金無しもあるが、退去時に費用が発生する可能性あり。
費用相場:家賃の1ヶ月~2ヶ月分
礼金 大家さんや管理会社へお礼として支払うお金。お礼とは言いつつも初期費用に含まれており、基本的に戻ってくることはありません。物件によっては契約時に礼金無しもある。
費用相場:家賃の1ヶ月~2ヶ月分
不動産仲介料 物件を仲介した不動会社に支払うお金。
費用相場:家賃の0.5ヶ月~1ヶ月分
継続費用(毎月発生)
家賃 物件を借りていることで発生する費用
  • ・1部屋:東京都平均 約69,000円、愛知県平均 約48,000円、大阪府平均 約57,000円
  • ・2部屋:東京都平均 約84,000円、愛知県平均 約56,000円、大阪府平均 約67,000円
  • *2021年5月全国都道府県平均(家具無し)
  • *家具付きはプラス約20,000円
共益費・管理費 賃貸物件等集合住宅の共有部分を維持・管理する費用。共有部分には、そのマンションのアプローチ(入り口から玄関までの通路)やエントランス、階段・エレベータ、廊下、ごみ置き場など様々な場所が当てはまります。
費用相場:家賃の5%~10%分
町内会費 住居地区に町内会がある場合、発生する可能性あり
費用相場:300円~1,000円
電気料金 電気使用料
費用相場:1人暮らしの場合、月平均約4,000円
水道料金 水道使用料
費用相場:1人暮らしの場合、月平均約2,000円
ガス料金 ガス使用料(備え付けのガスは以下2種類のいずれかとなる)

都市ガス (主な原料は液化天然ガスLNG)*料金が安い
費用相場:1人暮らしの場合、月平均約1,500円
プロパンガス (主な原料は液化石油ガスLPG)*料金が高い
費用相場:1人暮らしの場合、月平均約4,600円
インターネット代 インターネット代:インターネットに接続するための費用。家賃に含まれる物件もある。
費用相場:無料(家賃に含む)~約5,000円
退去後費用
修繕費 次の入居者が生活できるよう床や壁紙交換、破損・汚れを修繕する費用。
敷金で不足する場合は追加が発生し、敷金が無い契約の場合は全額負担となる可能性あり。
費用相場:1人暮らしの場合、約50,000円~80,000円
清掃費 次の入居者がきれいに生活できるようにするための費用。修繕費に含まれることもある。
費用相場:1人暮らしの場合、約15,000円~40,000円
カギ交換費 次の入居者が安全に生活できるため(前入居者の盗難や不法侵入を防止)の費用。次の入居者が負担する契約もある。
費用相場:約15,000円~約30,000円

食事編

1ヶ月の食事代の目安は例えば総支給20万円・手取り16万円の場合、24,000円~32,000円
*外食中心か自炊中心かによって変わります。
節約方法
  • ・毎月の予算を決めたら、1週間ごとに分けて活用すると良い。
  • ・外食を少なくし、自宅で自炊をする。
  • ・買い物はコンビニではなく、スーパーマーケットなど単価の安い食品を選ぶ
上記以外にもお役立ち情報が日本の法務省HPに掲載されているので以下のサイトも活用してみて下さい。(言語切り替え表記有り)

【日本国外国人生活支援ポータルサイト】
http://www.moj.go.jp/isa/support/portal/index.html